読書記録

菅原克也『小説のしくみ 近代文学の「語り」と物語分析』(東京大学出版会・2017)からジェラール・ジュネットへ――物語論の「物語」の行くすえのためのメモ

小説のしくみを物語論の道具立てによってあきらかにする。「しくみ」とは制度であり、しばしばそれが意図的に踏み越えられることから小説の楽しみはうまれる。けれどもそうした楽しみを理解するために物語論は作られたのだろうか。個人的に小説を楽しむのな…

惨めな「ワナビー」たちの小さな革命――ロバート・ダーントン『革命前夜の地下出版』(岩波書店・1994)

獄中から、つらつら考えたとき、ブリソーにとってアンシアン・レジームなるものは、彼自身のような自由な精神を圧し潰す陰謀であるかのように見えただろう。シャルトルの酒場経営者の一三番目の息子として生まれた彼は、これより七年前に、パリを首都とする…